Ruby 1.9.3 リファレンスマニュアル > ライブラリ一覧 > 組み込みライブラリ > Bignumクラス
クラスの継承リスト: Bignum < Integer < Numeric < Comparable < Object < Kernel < BasicObject
多倍長整数のクラスです。 演算の結果が Fixnum の範囲内の時には 自動的に Fixnum に変換されます。
扱うことのできる大きさはメモリサイズだけによって制限されます。 ビット演算については 2 の補数表現の無限長 のビットストリングとみなすことができます。特に負の数は左側に無限に 1 のビットが立っているように操作できます。Float との混合に関しては、 変換時に桁落ちが生じる可能性があります。
Ruby の Bignum クラスは immutable です。 つまり、オブジェクト自体を破壊的に変更することはできません。 Fixnum も同様です。
self % other -> Fixnum | Bignum | Float
[permalink][rdoc]modulo(other) -> Fixnum | Bignum | Float
算術演算子。剰余を計算します。
self & other -> Fixnum | Bignum
[permalink][rdoc]ビット二項演算子。論理積を計算します。
1 & 1 #=> 1 2 & 3 #=> 2
self * other -> Fixnum | Bignum | Float
[permalink][rdoc]算術演算子。積を計算します。
self ** other -> Fixnum | Bignum | Float
[permalink][rdoc]算術演算子。冪(べき乗)を計算します。
2 ** 3 # => 8 2 ** 0 # => 1 0 ** 0 # => 1
self + other -> Fixnum | Bignum | Float
[permalink][rdoc]算術演算子。和を計算します。
self - other -> Fixnum | Bignum | Float
[permalink][rdoc]算術演算子。差を計算します。
- self -> Integer
[permalink][rdoc]単項演算子の - です。 self の符号を反転させたものを返します。
self / other
[permalink][rdoc] [redefined by mathn]
[TODO]
Bignum#quo と同じ働きをします(有理数または整数を返します)。
self / other -> Fixnum | Bignum | Float
[permalink][rdoc]div(other) -> Fixnum | Bignum | Float
算術演算子。商を計算します。
self << bits -> Fixnum | Bignum
[permalink][rdoc]シフト演算子。bits だけビットを左にシフトします。
printf("%#b\n", 0b0101 << 1) #=> 0b1010 p -1 << 1 #=> -2
self <=> other -> Fixnum | nil
[permalink][rdoc]self と other を比較して、self が大きい時に正、 等しい時に 0、小さい時に負の整数を返します。
1 <=> 2 #=> -1 1 <=> 1 #=> 0 2 <=> 1 #=> 1
self == other -> bool
[permalink][rdoc]self === other -> bool
比較演算子。数値として等しいか判定します。
self >> bits -> Fixnum | Bignum
[permalink][rdoc]シフト演算子。bits だけビットを右にシフトします。
右シフトは、符号ビット(最上位ビット(MSB))が保持されます。 bitsが実数の場合、小数点以下を切り捨てた値でシフトします。
printf("%#b\n", 0b0101 >> 1) #=> 0b10 p -1 >> 1 #=> -1
self[nth] -> Fixnum
[permalink][rdoc]nth 番目のビット(最下位ビット(LSB)が 0 番目)が立っている時 1 を、そうでなければ 0 を返します。
self[nth]=bit (つまりビットの修正) がないのは、Numeric 関連クラスが immutable であるためです。
self ^ other -> Fixnum | Bignum
[permalink][rdoc]ビット二項演算子。排他的論理和を計算します。
1 ^ 1 #=> 0 2 ^ 3 #=> 1
abs -> Fixnum | Bignum
[permalink][rdoc]magnitude -> Fixnum | Bignum
self の絶対値を返します。
divmod(other) -> [Integer, Numeric]
[permalink][rdoc]self を other で割った商 q と余り r を、 [q, r] という 2 要素の配列にし て返します。 商 q は常に整数ですが、余り r は整数であるとは限りません。
[SEE_ALSO] Numeric#divmod
eql?(other) -> bool
[permalink][rdoc]self と other のクラスが等しくかつ同じ値である場合に true を返します。 そうでない場合に false を返します。
(1 << 64) == (1 << 64).to_f # => true (1 << 64).eql?((1 << 64).to_f) # => false
even? -> bool
[permalink][rdoc]self が偶数の場合に true を返します。そうでない場合に false を返します。
fdiv(other) -> Float | Complex
[permalink][rdoc]self を other で割った商を Float で返します。 ただし Complex が関わる場合は例外です。 その場合も成分は Float になります。
[SEE_ALSO] Numeric#quo
hash -> Integer
[permalink][rdoc]self のハッシュ値を返します。
odd? -> bool
[permalink][rdoc]self が奇数の場合に true を返します。そうでない場合に false を返します。
remainder(other) -> Fixnum | Bignum | Float
[permalink][rdoc]self を other で割った余り r を返します。
r の符号は self と同じになります。
[SEE_ALSO] Bignum#divmod, Bignum#modulo, Numeric#modulo
size -> Fixnum
[permalink][rdoc]整数の実装上のサイズをバイト数で返します。
現在の実装では Fixnum は、sizeof(long) 固定(多くの 32 bit マシンで 4 バイト)、Bignumは、システム依存です。
p 1.size p 0x1_0000_0000.size # => 4 8
to_f -> Float
[permalink][rdoc]値を浮動小数点数(Float)に変換します。
to_s(base = 10) -> String
[permalink][rdoc]self を引数で指定した基数の文字列表現に変換します。
12345654321.to_s #=> "12345654321" 12345654321.to_s(2) #=> "1011011111110110111011110000110001" 12345654321.to_s(8) #=> "133766736061" 12345654321.to_s(16) #=> "2dfdbbc31" 78546939656932.to_s(36) #=> "rubyrules"
self | other -> Fixnum | Bignum
[permalink][rdoc]ビット二項演算子。論理和を計算します。
1 | 1 #=> 1 2 | 3 #=> 3
~ self -> Fixnum | Bignum
[permalink][rdoc]ビット演算子。否定を計算します。
~1 #=> -2 ~3 #=> -4 ~-4 #=> 3