Ruby 1.9.2 リファレンスマニュアル > ライブラリ一覧 > 組み込みライブラリ > Regexpクラス > match

instance method Regexp#match

match(str, pos = 0) -> MatchData | nil[permalink][rdoc]
match(str, pos = 0) {|m| ... } -> object | nil

指定された文字列 str に対して位置 pos から自身が表す正規表現によるマッ チングを行います。マッチした場合には結果を MatchData オブジェクトで返し ます。 マッチしなかった場合 nil を返します。

省略可能な第二引数 pos を指定すると、マッチの開始位置を pos から行 うよう制御できます(pos のデフォルト値は 0)。

p(/(.).(.)/.match("foobar", 3).captures)   # => ["b", "r"]
p(/(.).(.)/.match("foobar", -3).captures)  # => ["b", "r"]

pos を指定しても MatchData#offset 等の結果 には影響しません。つまり、

re.match(str[pos..-1])

re.match(str, pos)

は異なります。

ブロックを渡すと、マッチした場合に限り MatchData オブジェクトがブロック引数に渡されて実行されます。 マッチした場合はブロックの値を返し、マッチしなかった場合は nil を返します。

results = []
/((.)\2)/.match("foo") {|m| results << m[0] } #=> ["oo"]
/((.)\2)/.match("bar") {|m| results << m[0] } #=> nil
results #=> ["oo"]
[PARAM] str:
文字列を指定します。str との正規表現マッチを行います。
[PARAM] pos:
整数を指定します。マッチの開始位置を pos から行うよう制御できます(pos のデフォルト値は 0)。

使用例

reg = Regexp.new("foo")

if reg.match("foobar")
  print "match\n" #=> match
end

p reg.match("foobar") #=> #<MatchData:0x29403fc>
p reg.match("bar")    #=> nil

p /(foo)(bar)(baz)/.match("foobarbaz").to_a.values_at(1,2,3) #=> ["foo", "bar", "baz"]

便利な使いかた

正規表現にマッチした部分文字列だけが必要な場合に、

bar = /foo(.*)baz/.match("foobarbaz").to_a[1]

foo, bar, baz = /(foo)(bar)(baz)/.match("foobarbaz").to_a.values_at(1,2,3)

のように使用できます。(to_a は、マッチに失敗した場合を考慮しています。)

多重代入の規則では右辺が配列でない一つのオブジェクトで to_a メソッドを持つ場合、右辺に * を付けることで to_a の結果を利用でき ます。つまり、上記は以下のように書くことができます。(ここでの `_' は、$& を捨てるために適当に選んだ変数名)

_, foo, bar, baz = */(foo)(bar)(baz)/.match("foobarbaz")
p [foo, bar, baz]

# => ["foo", "bar", "baz"]

このような用途に MatchData#captures が使 えると考えるかも知れませんが、captures では、マッチに失敗した場合、 nil.captures を呼び出そうとして例外 NoMethodError が発生して しまいます。

foo, bar, baz = /(foo)(bar)(baz)/.match("foobar").captures

# => -:1: undefined method `captures' for nil:NilClass (NoMethodError)