Ruby 1.9.3 リファレンスマニュアル > ライブラリ一覧 > test/unitライブラリ

library test/unit

要約

ユニットテストを行うためのライブラリです。

このライブラリは 2.2.0 からbundled gem(gemファイルのみを同梱)になりまし た。詳しい内容は下記のプロジェクトページを参照してください。

なお、2.2.0以前のtest/unit は minitest/unit を使って再実装され ていましたが、上記のtest/unitと完全な互換性がある訳ではありません。

使い方

Test::Unit は以下のように使います。

まずテスト対象のソース(foo.rb)が必要です。

class Foo
   def foo
     "foo"
   end
   def bar
     "foo"
   end
end

次にユニットテスト(test_foo.rb)を書きます。テストを実行するメソッド(テストメソッド)の名前は 全て test_ で始まる必要があります。テストメソッドが実行される前には setup メソッドが必ず 呼ばれます。実行されたあとには、teardown メソッドが必ず呼ばれます。

require 'test/unit'
require 'foo'

class TC_Foo < Test::Unit::TestCase
  def setup
    @obj = Foo.new
  end

  # def teardown
  # end

  def test_foo
    assert_equal("foo", @obj.foo)
  end
  def test_bar
    assert_equal("bar", @obj.bar)
  end
end

テストを実行するには上で用意した test_foo.rb を実行します。 デフォルトではすべてのテストが実行されます。

$ ruby test_foo.rb

Loaded suite test_foo
Started
F.
Finished in 0.022223 seconds.

  1) Failure:
test_bar(TC_Foo) [test_foo.rb:16]:
<"bar"> expected but was
<"foo">.

2 tests, 2 assertions, 1 failures, 0 errors, 0 skips

test_bar だけテストしたい場合は以下のようなオプションを与えます。

$ ruby test_foo.rb --name test_bar

Loaded suite test_foo
Started
F
Finished in 0.019573 seconds.

  1) Failure:
test_bar(TC_Foo) [test_foo.rb:16]:
<"bar"> expected but was
<"foo">.

1 tests, 1 assertions, 1 failures, 0 errors, 0 skips

--name=test_barのような指定は行えません。

以下のようにすると help も表示されます。

$ ruby test_foo.rb --help
Usage: test_foo [options]
minitest options:
    -h, --help                       Display this help.
    -s, --seed SEED                  Sets random seed
    -v, --verbose                    Verbose. Show progress processing files.
    -n, --name PATTERN               Filter test names on pattern.
        --jobs-status [TYPE]         Show status of jobs every file; Disabled when --jobs isn't specified.
    -j, --jobs N                     Allow run tests with N jobs at once
        --no-retry                   Don't retry running testcase when --jobs specified
        --ruby VAL                   Path to ruby; It'll have used at -j option
    -q, --hide-skip                  Hide skipped tests
    -b, --basedir=DIR                Base directory of test suites.
    -x, --exclude PATTERN            Exclude test files on pattern.
    -Idirectory                      Add library load path
        --[no-]gc-stress             Set GC.stress as true

複数のテストを一度に行う場合、以下のように書いただけのファイルを実行します。

require 'test/unit'
require 'test_foo.rb'
require 'test_bar.rb'

いつテストは実行されるか

上の例では、テストクラスを「定義しただけ」で、テストが実行されています。 これは、require 'test/unit'した時にMiniTest::Unit.autorunを実行し ているためです。その結果、終了時の後処理として実行されるようになってい ます。

Error と Failure の違い

Error

テストメソッド実行中に例外が発生した。

Failure

アサーションに失敗した。

並列実行

1.9.3 から単体テストの高速化のために、並列実行がサポートされました。

並列化の仕組みについては以下の記事をご覧ください。

クラス

Test::Unit::TestCase

テストの基本単位(あるいは「テスト本体」)を表すクラスです。 テストを行うメソッド(テストメソッド)は TestCase のサブクラスのインスタンスメソッド として定義されます。テストメソッドの名前は「test」で始まっていなければなりません。 逆に、「test」で始まっているメソッドは全てテストメソッドと見なされます。

モジュール

Test::Unit

ユニットテストを行うためのモジュールです。

Test::Unit::Assertions

各種の assert メソッドを提供するモジュールです。

同時にrequireされるライブラリ

test/unit/assertions

各種の assert メソッドを提供します。

test/unit/testcase

テストケースを記述するときに使います。